今朝、なんとなくつけたNHKのニュースで、私ははじめて「王谷晶(おうたに あきら)」さんという作家の存在と、彼女の作品『ババヤガの夜』を知りました。
正直、完全にノーマークでした。
そして、そのニュースの内容に思わずテレビの前で手が止まりました。
なんと王谷晶さんの小説が、日本人として初めて「ダガー賞」翻訳部門を受賞したというのです!
ダガー賞って何?
「ダガー賞」とは、イギリス推理作家協会(CWA)が主催する権威ある文学賞で、1955年から続く老舗中の老舗。
推理・サスペンス・スリラー・スパイ小説などが対象で、アメリカの「エドガー賞」と並び称される国際的な賞です。
中でも「翻訳部門」は2006年から始まり、これまでも横山秀夫さんや東野圭吾さん、伊坂幸太郎さんなどが最終候補には残ってきましたが、日本人作家の受賞は今回が初。歴史的快挙です。
王谷晶『ババヤガの夜』ってどんな話?
タイトルからして只者ではない雰囲気を醸し出していますが、その内容も実にパワフル。
“恐ろしくけんかが強い女性”が主人公で、暴力団の会長の娘の護衛を任され、やがて二人の間に信頼が芽生えていくというストーリー。
暴力描写も多く、過激なセリフも目立つそうですが、その中に光るのは「女性同士の関係性」や「生きる希望」。テンポよく、かつ映画のような迫力で描かれる、女性たちのバディムービー的世界とのこと。
しかも翻訳者のサム・ベットさん曰く、「任侠映画とロードムービーを掛け合わせ、しかもそのルールを覆して未知の場所へ連れていく」作品なのだとか。もう、読むしかないです。
王谷晶さんの性別は?どんな人?
ここでふと気になったのが「王谷晶さんって、女性?男性?」ということ。名前だけでは判断がつかないな……と思って調べてみると、女性でした。
東京生まれの44歳。元はゲームのシナリオライターだったそうで、今では恋愛・家族・SF・エッセイなど多彩なジャンルで執筆。
今回の受賞作も、「ミステリー専門ではない」という王谷さんならではのジャンル横断的な魅力が評価されたようです。
本人のコメントにもそのスタンスが表れています。
「あいまいであることは私の作家としてのテーマそのものです。自分のあいまいさを受け入れ、他人のあいまいさを認めることが世の中をよりよくすると信じています」
とても柔らかく、でも芯のある言葉。惹かれます。
世界で評価される日本の女性作家たち
実はここ数年、海外の文学賞で日本の女性作家たちが高い評価を受けています。
多和田葉子さん、柳美里さん、小川洋子さん、川上未映子さん……そして今回の王谷晶さん。
彼女たちの作品には、共通してフェミニズム的な視点や、抑圧への抵抗、人間関係の再定義といったテーマが内包されています。
それがいま、保守化が進む世界の中で、読む者の心に響いているのかもしれません。
まとめ:今すぐ読みたい『ババヤガの夜』
王谷晶さんの『ババヤガの夜』、まだ未読の方(私も含めて)はこの週末にぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。
翻訳版も気になるところですが、まずは原作から。
「ダガー賞」という世界の舞台で光った、ある女性作家の言葉と物語に、私はすっかり惹かれてしまいました。
『ババヤガの夜』のタイトルに登場する「ババヤガ」とは、スラヴ神話の魔女の名前なんだそうです。
ヤクザ×魔女モチーフ、これは面白くないわけがない……!
